患者さんの手術検体、生検検体からHE染色標本を作製して診断します。HE染色標本の所見、免疫組織化学染色や分子病理学的検査、電子顕微鏡による観察を追加し、分子生物学的知見を加味した標準病理診断と診断精度向上に務めます。

患者さんから採取した痰・尿や子宮頚部擦過検体等の細胞に見られる形態を顕微鏡で観察し、診断します。

手術中に提出された検体を急速凍結して標本にし、10分程度で迅速に病理診断を行います。診断結果は、手術方針の決定に役立てられます。

不幸にして病死された患者さんに対してご遺族の承諾のもとに解剖させていただき、生前診断の妥当性、病気の進行具合、最終的な死因や治療効果の判定などについて診断が行われます。正確な病理解剖の結果は、医学の進歩へ貢献します。

採取された検体の分子生物学的解析により、形態学的診断のみでは診断できないあるいは困難な病理診断、組織亜型の正確な診断、治療や予後につながる情報等を提供します。当科では臨床腫瘍科・がん診療センターと密に提携し、分子病理診断を積極的に取り入れています。

HE染色標本や免疫組織化学染色標本をデジタル化することにより、モニター画面で標本を観察し、AIによって解析を施行し、病理診療や病理学研究への応用を目指しています。

病理学は基礎医学と臨床医学の橋渡しを行う医学分野で、古代ギリシャ時代から現代に至る医学の発展に重要な役割を担ってきました。当病理学教室では、歴史的な病理学体系に基づいた病理形態学を基礎とし、各臨床科や関連施設病院との連携により、①昨今のゲノム医療を含むPrecision Medicineに対応する臨床病理診療学の追求と実践、②新規診断及び治療に繋がる分子病理学及び免疫病理学を形態病理学と融合した総合病理学研究を推し進めています。ヒトおよび実験動物の体内細菌叢から組織幹細胞、腫瘍細胞、造血細胞など幅広い研究ソースを利用し、疾患の発症機序解明や新規診断・治療法開発を遂行しています。従って、免疫学、生化学、生理学、bioinformatics等の様々分野の研究手法の取り入れ及びインターナショナルな連携を通じた研究体制を整備しています。  

具体的には、がんの発癌・進展機序解明、体内細菌叢のdysbiosis同定、腫瘍免疫療法、移植免疫病理に関する研究課題が現在進行中です。ただし、当教室の研究は、これらの研究課題に限定されるものではなく、Precision Medicineに対応するために重要な課題や学問の核心に迫る研究は積極的に取り入れ、研究遂行します。

具体的研究内容

【岡野慎士】

1.肝胆膵領域がんの発がん・進展の病理病態学的解析と新規治療法開発

2.発がん・進展における口腔内・腸内細菌叢のtumor-agonistic dysbiosis同定と機序解明

3.複合組織移植における拒絶反応の病理学的解析と機序解明

4.薬剤関連顎骨壊死の病理病態学的解析

5.がん腫瘍免疫療法の病理病態学的解析と新規補助療法の開発

6.坦がん患者に対する漢方薬療法の西洋医学的効能機序解明

【朴 盛浚】

1.食餌制限特異的な脂質代謝を応用した新規老化・代謝性疾患の制御機構解明

2.肥満及び脂肪肝などの代謝性疾患における免疫代謝の役割究明

3.代謝性疾患の抑制、寿命延伸の候補遺伝子の機能解析

【Aung Bhone Myat】

1.  希少先天性症候群疾患における歯根形成

2. 癌細胞におけるPARP阻害薬とノコダゾールによる細胞周期の調節の分析

3. 癌細胞におけるオラパリブとノコダゾールの併用薬物療法による多倍体化と細胞周期停止の誘導

【関連病院・関連施設】

福岡病理診断科クリニック https://fukuoka-pathology-clinic.com/

長崎病理診断科  https://nidp.net

長崎みなとメディカルセンター  http://shibyo.nmh.jp

日本赤十字社 長崎原爆病院 https://www.nagasaki-med.jrc.or.jp

長崎県島原病院 https://shimabarabyoin.jp

長崎医療センター https://nagasaki-mc.hosp.go.jp

佐世保共済病院 https://sb.kkr.or.jp/

九州大学大学院 病理病態学教室  https://www.med.kyushu-u.ac.jp/pathol1/

九州大学大学院 形態機能病理学教室  https://www.surgpath.med.kyushu-u.ac.jp/

九州大学大学院 消化器・総合外科  https://surg2.kyushu-u.ac.jp/

福岡歯科大学 https://d.fdcnet.ac.jp/

鹿児島大学大学院 病理学 https://www2.kufm.kagoshima-u.ac.jp/field/advanced-therapeutics/f107/01.html

金沢医科大学 臨床病理学 https://www.kanazawa-med.ac.jp/~clinpath/